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店長の気ままにひとりごと

紫陽花の季節には。

カテゴリー:ブログ | 2020年06月08日

こんにちは。
早いもので6月。
6月といえば紫陽花。
紫陽花といえば・・・
もう10年以上経ちますが、お世話になっていた製本屋さんのおばさんが亡くなりました。
この紫陽花の咲く季節でした。

徳のある方でいつも穏やかな表情が印象的でした。
対照的におじさんは典型的な昭和の男という感じで口も悪くてしょっちゅう仕事のことで夫婦喧嘩をしていて若い頃はそれを見てオロオロしたものです。
けれどおばさんは具合が悪くなっても鼻にチューブを挿しながら仕事をしていました。
最後の最後まで。

おじさんは「もっと前から俺がいろいろしてあげれば良かったんだよなあ!」
と目に涙をためながら仕事をしていた光景を今でも思い出します。
そんなことをおばさんのお葬式に参列していた時思い出したら涙がこぼれました。

その後、この紫陽花の季節になるとおじさんのところを訪ね、紫陽花をおばさんに手向けるようになりました。
おじさん、すごく喜んでいました。お返しにと律儀に会社にメロンを届けてくれたこともありました。
そんなやりとりを続けていたある年の紫陽花の季節、おじさんがいませんでした。

鍵は開いていて、ラジオの音も聞こえます。
おかしいな、と思って縁側のほうへ回ると寝たきりのおじさんがいました。

「むーんです、おじさんわかりますか!?」

と声をかけると

「おお、むーんさんか、悪いなあ。こんなんなっちゃって。花、ありがとうな。治ったら必ずむーんさんとこお礼に行くからな」

と弱々しい返事が返ってきました。

しかしその願いは叶わずその翌年の再会はお葬式という形になりました。
自分の身内の時でも泣かなかったのにこのご夫婦の時はいずれも泣かされました。
お葬式の際、牧師さんがおじさんは頑なに宗教を否定していたけれど最後は教えを受け入れてくれて教会にもきてくれるようになった、とお話されていました。

今は同じ墓地で一緒に安らかに眠っているようです。
毎年、紫陽花を見るとこのご夫婦を思い出します。

いつまでも仲良く、安らかに。
それではまた。