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店長の気ままにひとりごと

羊と鋼の森。

カテゴリー:ブログ | 2018年09月10日

むーんです。

先日、ホワイトボードに予定を書き込んでいたら「むーんさん、書き順が違います」と指摘されました。
結構書き順いい加減です。40過ぎてから漢字検定2級を取りましたけどこの検定って書き順については出題されないんですね。もしあったら合格できなかったでしょうね。
でも漢字って例えば「右」と「左」で最初の書き順が違ったりするし、「美」という字も上の「v」を書いたあと横棒四本かと思ったら「羊」を書いて「大」、なんですよね。

さてさて、昨日「羊と鋼の森」という作品をやっとこ読み終えました。
昨年の「本屋大賞」を受賞した作品で今年の夏には映画化もされた作品です。
この本屋大賞、書店員さんがもっとも売りたい本を選ぶもので、個人的には選考委員だけで決める芥川賞や直木賞よりももっと評価されるべき賞じゃないかなーって思ってます。この作品、作者の宮下奈都さんのファンなので読みたいと思ってたけど結局映画が先になっちゃいました。

映画はほぼ原作通りだったんですね。中には原作を大きくいじって映像化する場合があるんですけど読み終えて安心しました。
作品は主人公が高校時代、学校にやってきた調律師の仕事を見て調律師を志し、調律の世界で生きていく物語です。普段あまりスポットの当たらない調律の世界を丁寧に表現していてすごい仕事なんだなあって感心しました。私の友人でも一人いるんですが、ホントいろんな細かいところまで神経を遣う仕事をしてるんだと見直しました。

そんな主人公の青年、調律師としてはばたくまでにさまざまな葛藤を抱えていきます。
これ、調律の世界だけでなく誰もが働くようになってから感じる葛藤じゃないかと思うんです。読んでてそうだよね、そうなんだよ、って共感しながらこの「外村」という青年を応援している自分に気がつきました。宮下さんの作品ってこういうところがとても上手です。ちなみに「羊と鋼」の羊はピアノのハンマーを包むフエルト(羊毛)、鋼でできている弦を意味していてその世界を彷徨う(=森)青年を描いているというわけです。作中にも葛藤する主人公を象徴するように何度も森の中を彷徨うシーンが出てきます。

そうそう、作品のラストで「”美”という字も”善”という字も”羊”という字が語源になっているんだよね」と語る場面があります。なんでも古代の中国では高貴な動物として羊は扱われていて神事の際には献物として供えられていたんだそうです。大きくて立派な羊は美しい。そこから「美」という文字ができたんだそうです。そうか、だから横棒四本じゃなくて羊から書くのか。漢字の意味ってすごくロマンがあるよなあ、って感じました。こういう発見ができるのも本の素晴らしさかなと思います。